人々を動かすのは「感謝」ではない。

気づけばすでに4月。日本では新年度ですね。FBのタイムラインには花見の写真がたくさん見られます。日本を離れて、7年桜を生で見てないわけですね。この時期は目黒川に戻りたい。日本の桜は本当に綺麗で美しい。ついでに寿司、ラーメン、蕎麦、焼肉を食べたい。まあ春に限ったことじゃないんだけど。

昨日Newspicksを見ていて、こんな記事をみつけました。大宮アルディージャクラブ社長のインタビュー「感謝の気持ちが大前提。Jリーグクラブの社長を務める幸せ。」の中で一番必要なものは「社長をやれて幸せ」だと思う気持ちだと言っています。「ファンに感謝する。」「お客様に感謝する。」よく聞かれるフレーズで、僕自身も大事なことだと思います。ただ一番のプライオリティにおいてたらダメ。絶対にダメ。これは感謝するなって言っているのではなく、サッカーという分かりやす過ぎる勝利至上主義の中で「感謝」は一番に来るべきではない。

では何が来るべきか?「勝ちたい」というのは当然。しかし、大宮アルディージャは優勝を狙えるクラブではないのも事実。大切なのは「サッカー愛」と「地元愛」です。大宮アルディージャを強くしたいという「情熱」が大事なんです。情熱が地元の人を動かす。でもここで一つ大きな問題があるんです。

この人は大宮に何の縁もゆかりもない。

出身は山形、大学は東京でNTTの元社員。ちなみにNTTは大宮のメインスポンサー。そういうことですね。だから難しいんです。ヨーロッパでサッカーは地域代理戦争。サポーター同士の殺し合いが行われるくらいに「戦争」的な気持ちで地元クラブを応援しています。だからリーグ戦も盛り上がる。コアなファンが各チームに絶対いる。しかし、日本でこの現象は起きにくい。だからJリーグが盛り上がらないし、弱ければ地元のチームの試合も見に行かない。スポーツってそんなもんだと思います。日本だと野球はそれに当たります。大阪は阪神、名古屋は中日、広島はカープ。弱くても地元のチームを多くの人は気にかけてると思います。日本サッカーは歴史が浅いのも当然あるし、地域性がまだあまりないのもある。だから代表戦の方が盛り上がるわけですね。逆にイタリアだと代表戦に興味ある人が本当に少ない。盛り上がるのはW杯とEUROくらいでしょうか。これには本当にびっくり。

優勝できないチームは「情熱」をファンに示すしかないのです。ビッククラブ相手に勝ち点をいくつ拾えるか、同レベル以下のチームにいかに勝ち点を取りこぼさないか。地道だけどそれしかない。試合を真剣にやるのは当然。ただ情熱を上手にファンに伝えることは必要です。アルディージャのサイトを見て、情熱が伝わるか。伝われば応援するファンも絶対に増える。セリエAの中堅チームで必ず残るのは、チーム一丸となって、時にジャイアントキリングしながら勝ち点を奪っています。経営面でも若手を選手を育てて、高く売って、また新しい選手を育てるということをうまく出来るチームがセリエAに残ります。これしかない。

世界一の情熱家と言えばやはりスティーブ・ジョブス。彼以外にこのやり方はありえないが、以下の動画を見れば彼が何を目的にどんな情熱を持っているかがすぐにわかる。だからこそ、時に彼の非人道的なやり方があっても人々を魅了し、多くの人が彼の下で働いたんだと思う。真似はできないけど、参考になる部分はたくさんあるね。

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