2020年 イタリア共和国記念日

本日6/2は、74周年イタリア共和国記念日で祝日です。シンプルに説明すると王国から共和国になりました。王家はヴォイア家ですね。最後の国王はウンベルト2世です。ちなみに任期は1ヶ月もないです。短か…絶対に就任したこと後悔してるよね。彼はその後ポルトガルに亡命、穏やかに余生を送ったそうです。

セレモニーはローマで華やかに行われまして、日本のブルーインパルスならぬ、フレッチェ・トリコローレが鮮やかに空を舞いました。良かったら「Frecce Tricolore」で検索して見てください。その後、大統領がコドーニョ(最もコロナ犠牲者が出たミラノ近郊の街の一つ)を訪れました。

昨日のコロナ死亡者は60名とかなり落ち着いてきました。前回のブログにも書いたように、5/17より州内での移動が自由になり、友達に会うことは解禁されていますが、現在医療機関を圧迫するようなニュースはありません。むしろ、交通状況がほぼ100%戻りつつあるとのニュースが出てきています。現在陽性者の数もピーク時の半分以下41367人となり、増加傾向は見られず。ミラノ県内でも昨日の新陽性患者は18名でした。

そして、6/3より新たな段階に入り、ジムやプールが解禁され、州を跨ぐ移動が解禁となります。本日はロンバルディアのページより少しご紹介です。

  • 移動に関しては6/3より国内全体へ移動が可能
  • マスクは着用義務あり
  • 公共交通機関に乗る際は手袋も必要
  • 6/1よりジム、プール解禁
  • ミサなど再開

私の行っているジムは来週より再開予定。1日が6つの時間帯に分けられ、予め予約をしないといけません。予約は1週間で2回まで。それ以上は要相談とのことです。以前、週4-5くらいのペースでジムに言っていましたが、肌感覚で6-7割はいつも同じ人がいるイメージです。さて、どうなることやら。

やばいよセリエA、一応の再開が決定

6/20よりリーグ戦、13、14日はカップ戦準決勝、17日に決勝。クラブからは批判も。

一時は10万人以上いたcovid-19陽性患者は5万を下回りました。一時は千人近くまで迫った死亡者は昨日は70人まで減りました。そろそろ段階的解除から2週間が経ち、次のステップが見えてくる頃だと思います。

イタリアの中で最も重要なポジションにあるのがサッカーですが、第26節3/9を最後に中断されていたセリエAは、ようやく昨日に再開の目処が経ちました。6/20より27節が開催されます。そして、その前にコパイタリア(カップ戦)の準決勝・決勝が行われます。女子のセリエAは未定。アマチュアは中止が決定。フットサルも中止(プレーオフ昇格県内だったのに…涙)

個人的にはかなりサイコパスな日程だと思ってます。色々な考えがあっての決定でしょうが、3ヶ月中断後の初っ端に負けることが許されないトーナメント(しかも準決勝)を持ってくるのは怪我のリスクが物凄く上がります。まずはの様子見ができませんし、強度も当然上がります。「本番の試合勘」というのはプレーする方からすると非常にセンシティブで重要な要因で、パフォーマンスよりも怪我に直結します。極端に言うと運動会でいきなりかけっこして前に詰んのめって転ぶお父さん状態です。当然トレーニングはしてますが、コンマ秒のスピードで激しくぶつかり合うわけです。一人がそのタイミングを間違えれば、その選手が怪我するかもしれないし、相手の選手を怪我させてしまうかもしれません。

さらに準決勝から中2日!正気か!?いきなり準決勝で中2日で決勝?試合の疲れは基本2日じゃ抜けません。何度も言っているように3ヶ月のブランクの後。練習試合と公式戦ではわけが違う。プロですから準備はしてますが、公式戦はプロでもこなすことができません。3大タイトルの準決勝へモチーベンションを持っていくのも簡単ではありません。

次は運営側の視点から。実は現在、サッカー協会側と放送する側で泥沼の相を呈しています。放映権の約250億円が未払い状態なのです。メインはSky(有料テレビ/ストリーミング), Dazn(ストリーミング), International Management Group (アメリカ)の3社です。この250億円は各チームに分配され、選手の給料等に当てられます。チームのメインの収入源になるために、これが支払われないとチームを運営することができません。ブロードキャスト側からしても、行われていない試合に250億円支払うことは困難でしょう。裁判に持ち込まれるのでは?との報道が出ています。

一方で、通常は有料放送のセリエAを部分的に一般開放するとの報道もあります。まだまだどうなるかはわかりませんが…何よりここまで判断が遅れているイタリア政府には疑問がつきません。選手の安全第一といえ、20代はイタリア全体で12人しかなくなっていません。ほぼ亡くなりません。ピッチ以外ではコントロールが効きます。ドイツのブンデスリーガから1ヶ月の遅れ。常にドイツ頼り感がいなめないです…

参考:https://www.gazzetta.it/Calcio/Serie-A/28-05-2020/serie-riparte-20-giugno-spadafora-13-potrebbe-tornare-coppa-italia-3701363668072.shtml

どうなるアリタリア!?

イタリアらしさを最も象徴してる会社と個人的に思っているアリタリア航空。当然、今回のコロちゃん騒動の影響で多大なるダメージを受けております。

サクッと会社説明をしますと、アリタリアはイタリアのナショナルエアラインで、潰れそうなために国の政府管理下(amministrazione straordinaria)にあります。詳しい歴史はwikiをご覧ください。めっちゃ詳しいです。

ハイライトは、同時多発テロ以降の経営悪化による国有化(政府が株式の49%保有)、2007年、エールフランス-KLMに買収が決まりかけるも労働組合の反対により断念。その後、紆余曲折。2014年にエディハド傘下になるも2017年に再度経営破綻し、政府管理下へ。

この度6月より、国有化が始まり(今までと何が違うんだ…)、運行を再開します。ソーシャルディスタンスが必要なため、1/3から半分の座席しか使えません。エコノミーでNYまで片道1200ユーロ…ローマとミラノから飛ぶ予定です。さらに5/20付けでスカイチームから脱退したことが報道されています。今までスカイチームでエアフラとアリタリアでマイルを貯めてきたのでショックです…涙

国有化に伴い30億ユーロ(3600億円)の融資が決定し、かいつまんで記事をご紹介します。「今回の融資にプランは全くない。ただ、ルフトハンザ(ドイツ政府から90億ユーロの融資)やブリティッシュエアウェイズに対抗したいだけ。」これだけの融資は前例がなく、アリタリアの資産は多く見積もっても18億ユーロ。そして、過去45年で126億ユーロの融資を受けてきました。この金額はイタリア人一人当たりに換算するとなんと210ユーロ/人に。

過去に乗客の荷物をくすねて計86人が逮捕されていたり、物凄いブラックな会社であります。労働組合が無駄に強い。イタリアが経済に弱い理由は確実にここにあるので、いつか触れたいと思います。そして、これからもアリタリアらしくあってほしいと思います(他人事)。

イタリア人に外国人どれだけいるのって話。日本人もね。

ちょっと前にスイスの話を書いて、外国人の数にビビりました。国民の25%ってなかなかの数字だと思います。それでイタリアはどれくらいいるの?って話で、イタリアに居住する8.5%が外国籍でした。今回はその数字の深掘り。ちなみに日本での外国籍の割合は2%です。

個人的な印象としては、中国人はよく見ますし、レストラン等で働いているのはフィリピン人が多いイメージです。コミュニティも大きい。統計(イタリア統計研究所)を見てみるとちょっと意外でした。

外国籍人数割合
20052.405.1574.1%
20104.235.0597.0%
20155.014.4378.2%
20195.255.5038.7%
Tuttaitalia.itより
Grafico andamento popolazione stranieri Italia
Tuttaitalia.itより

2014年までに段階的に増えています。EU域内において、2000年以降、国間の移動が楽になりました。2019年はヨーロッパが半数をしめ、アフリカとアジアが20%ずつです。

割合
ルーマニア120万人23.0%
アルバニア44万人8.5%
中国30万人5.7%
ウクライナ24万人4.5%
フィリピン17万人3.2%
国別順位

国別に見ると一番多いのはルーマニア、1.206.938人です。外国人全体の23.0%を占めます。ルーマニア語はイタリア語に近く、彼らはイタリア語をかなり理解できます。僕は全くルーマニア語はさっぱりですが…笑。何か犯罪があると「またルーマニア人か?」と、差別的に発言する人もいます。日本の「在日」的な感覚ですね。ルーマニア人の数は2005年から2019年にかけて100万人以上増えています。そして、アルバニア(441.027人)です。

しかし、自分の人間関係を考えるとルーマニア人、アルバニア人の友達は皆無。一人だけ学生時代のルーマニア人の友達がいます。友人関係でも聞くことはありません。

そして、3番目は中国で30万人。ちなみに「中国人は死なない」と言われています。イタリアに住民票を移し、その人が亡くなったり、イタリアを出たとしても、そこから誰かにこっそり引き継がれるので、中国人の人数は減らないという意味です。本当かどうかは知りません 笑

4位はウクライナで24万人。近所にウクライナ系正教会の教会があったりするのも納得です。フィリピンは5位(17万人)でした。

ちなみに日本は7847人で54位です。男:2253人、女:5594人と女性の方が多くなっています。

男性女性合計
2005年2.2383.8756.550
2010年2.5505.0167.566
2015年1.9914.6559.812
2019年2.2535.5947.847
イタリア在住の日本人の数

女性がかなり増えています。国際結婚の影響でしょうか。ミラノを見ていると駐在の方が増えている印象はあまり受けません。完全に個人的な推測ですが。それにしても2015年はミラノ万博もあったし、一時的でも増えてて良い気がするのだが…

日本人の内訳はロンバルディアが35%(2.712人)でトスカーナ州とラツィオ州がそれぞれ17%、E.ロマーニャ州、ベネト州、ピエモンテ州が各5-6%です。どこの州も女性が半分以上多いのですが、ピエモンテだけは男性の割合が少し多いです。それでも男女比が4:6にも満たないですが…おそらくここは料理や食品業界の方が多くいるからではないでしょうか。

日本男児よ、もっと世界へ!!こんな時期だけど…

5/15時点、Fase 2( 5/18〜)

ハイライト:カフェ、レストラン、美容院が再開予定。5/15夕方新たに政府から発表される予定。

【論点】
*友達とレストランに行けるのか
*セカンドハウスに行けるのか
*州を跨ぐ移動は5/25 or 6/1か?
*州が自由に決めることができる。しかし政府が介入をできる権限を持つ

【ロンバルディア】
カフェ、レストラン、美容院が再開予定
入口で検温
INAILからの詳細待ち
Confcommercio Milanoの調査によると再開可能な会社のうちの1/3が、引き続き自粛する
65%が再開の意思を持つ
100%近くの再開意思を持つのは家具、宝石系。97%の衣料店
50%:旅行業
45%:フィットネス
29%:ホテル業。*Federalberghiによる

【ピエモンテ】
月曜日に全ては開かない、慎重。

【リグーリア】
全部開けたい。海岸を含め。

【ベネト】
全部開けたい。ジム、スポーツセンター、プール、海岸。観光目的と考える。

【バレダオスタ】
山スポーツはすでにok、アーチェリー、テニスも。
カフェ、レストラン、個人サービスは5/18再開予定。
5、6月中の学校再開も検討中。

【フリウリ】
5/18から人と会えるようになる。
ただし、ソーシャルディスタンスやマスクなどの防護は必須。
ジムは開けたい。
ジムや美容院も再開予定

【トレンティーノ】
5/15にお店が再開済み。
5/18からカフェ、レストラン、エステ、美容院
ボルツァーノに並ぶ(5/9よりお店、5/11よりカフェ、レストラン、床屋)

【E.ロマーニャ】
ビーチパラソルは12m2に一つ。
5/18より、お店、カフェ、レストラン、美容院、エステ、タトゥー、マーケット。
自治体でビーチへのアクセスの制限を行う。

【トスカーナ】
慎重。すべての検討を慎重に行ってから決める。

【マルケ】
5/18よりカフェ、レストラン、ショップ、マーケット、キャンプ、美容院
5/29より海開き予定

【その他】
アブルッツォは首相令前にすでにテイクアウトの提供を認める。
ウンブリア、モリゼ、バジリカータは検討中。

【ラツィオ】
ビーチの半分はオープン。
慎重に再開予定:店内飲食、個人サービス、(食品を除く)カウンター販売、スポーツセンター:外でのアクティビティ。ただし更衣室/シャワーは使えない。
海岸は半分が解放されている、個人スポーツは可能、ただし複数人数、海水浴は禁止。
ローマは含まれていない、5/18予定。

【カンパーニャ】
健康省とINAILの方針に従う。

【プーリア】
5/18より床屋、エステ再開
ビーチや海水浴はまだ閉鎖
個人スポーツはすでにok
犬と馬の調教はok

【カラブリア】
5/18よりカフェ、レストラン(外でのテーブル)再開予定

【サルデーニャ】
美容院、、エステ、服屋、靴屋、香水屋、宝石屋は5/14に再開済。
県議会はRtが0.5以下なので再開を迫られている。
5/18よりビーチ再開予定。
6/15には観光業を再開したい

【シチリア】
5/31まで入島禁止。住民票がある人、家族がいる人は除く。
床屋、美容院、ショップは5/18再開予定。
ビーチのオープンは検討中

参考:https://www.ilsole24ore.com/art/dalla-lombardia-sicilia-ecco-piani-riapertura-regioni-lunedi-ADBqA6P

お隣さん、スイスの状況を比べてみる(コロナ)

4/28時点で、イタリアのコロナウィルスにおける死亡者は27.359人になりました。昨日も382人が亡くなっていますが、かろうじて400人以下で踏ん張っています。

さて今日はミラノから車で1時間、隣国のスイスの情報を見てみたいと思います。

スイスイタリア
人口857万人6036人
死亡者数1699人27359人
死亡者数率/100万人当たり196人453人
死亡者平均年齢84歳80歳
死亡者男性比率58%63%

イタリアの方が悲惨な状況なのは明らかですけど、死亡者の平均年齢は差があるとみるか、ないとみるか微妙なところ。男女差はどちらの国もあります。そして、9割以上基礎疾患があるのも変わらないし、若者がほぼ死んでないのも当然同じ。

スイスという国はヨーロッパでは珍しい点がいくつかあります。独自通貨、永世中立国、公用語がドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンス語と4カ国語ある等。よってドイツ、フランス、イタリアに国境を接しています。言語話者の割合はスイス連邦議会のサイトより2000年時点で、ドイツ語63%、フランス語22.7%、イタリア語8.1%、ロマンス語0.5%で23.3%が4つ以外の言語を母国語としている。

そして、今回最もやられている地域の分布図は

地域別、10万人当たりの感染者数

フランス語圏とイタリア語圏が中心!ドイツ語圏がマジョリティにもか関わらず、集中しているのフランスとイタリア語圏。ドイツ語圏の中ではチューリッヒがフランス語圏の先端にはジュネーブがあります。イタリア語圏には大きな年はありませんが、ミラノや北イタリアと経済圏が近く。北イタリア在住でスイスで働いている人は多くいるんですね。スイスは非常に給料が良いためです。

スイスで一番大きい都市のチューリッヒ(人口365万人)は3位で後は全てフランス語圏とイタリア語圏。人口で2位ジュネーブ(180万人)と倍離れています。やはり文化的な差が何か影響しているようにしか思えないですね。高齢者の社会的活発性とでも言えるような何かが影響しています。もしくは栄養が偏り過ぎている?

スイスの考察は非常に興味深いです。

イタリア首相コンテ、Fase 2(フェーズ2)段階的解除発表

昨日4/26、イタリアのコンテ首相の会見が行われました。段階的解除の具体的なプランが明らかになりました。個人的な感想としては、かなりビクビクしながらのプランです。高齢者に言及できないのは相変わらずです。

4/27の死亡者333人、昨日の260人から少し増えてしまいましたが、二日連続で400人を下回りました。3/17以来です。

さて下記がフェーズ2の概要です。原文はこちら。誰か全訳していただけると助かります。僕にはできませんので、24oreから要約抜粋です。ちなみに首相令のことはDPCMといいます。Decreto del Presidente del Consiglio dei Ministriの頭文字です。直訳すると閣僚会議首相令。

  1. 繊維業、自動車産業、ガラス、家具は5/4より再開
  2. 林業4/27より再開
  3. 親族への訪問はok、ただし団欒はNO。州内限定
  4. 公園の開放は5/4より
  5. スポーツは2m以上の距離を保ちながらok。
  6. プロ選手の練習再開
  7. 美術館/図書館、ショップ 5/18より再開
  8. ミサは引き続き禁止、しかし葬儀はok
  9. レストランは持ち帰りのみ可
  10. 海外からの入国者は14日間自主隔離
  11. レストラン、カフェ、美容院、エステは6/1より通常営業

その他

  • マスクの値段は50セントでfix。
  • 37.5度以上の熱であれば外出禁止
  • 葬儀の参加者は15人以下

結局、私生活があまり変わらないことに不満が募ってますね。友達に会うのだめ。外食もエンターテイメントも何もない。政府側からすると当たり前ですけど、市民からするまだまだ続く流れにグッタリでございます。要約美味しいカプチーノが飲めるのが唯一の救いでしょうか?「facebookで6/1まで髪が切れないのか…涙」とポストしたら、美容師の友達から「髪を切らせろ〜涙」とメッセージ来ました。お互いに辛いのです。なんのために自粛してるんだか…

さて、このfase2の発表で、一つ議論になっていた項目があるんですね。それは(3)です。congiunti:親族、縁者という表現が使われているのですが、結局これはどこまで認められるの?って話です。血縁や婚姻関係あれば当然問題はないものの。恋人や婚約者は?めちゃくちゃ曖昧。

記事ではおそらく認められるだろうと非常にグレーな感じで終わっていますね。近日中に発表があると思います。

みんなが自由に生きるとどうなるのか?

昨日、サン・シーロにインテル対ボローニャ戦を見てきました。にわかミラニスタなのでインテルの試合には興味ないのですが、日本からお客さんが来ていたので連れて行きました。サン・シーロはいつ行っても素晴らしいスタジアムだと思います。毎回、感動。すごい寒いけど、好きです。

結果は1-0でボローニャ(現在18位で降格争い中)の勝利。終了の笛がなった時は大ブーイングでした。先週、コパイタリア(天皇杯的なやつ)でもホームでラツィオに負けて敗退。ファンのフラストレーションは溜まりまくりです。その中でやっぱりイタリア違うなってところいくつか。別に日本と良し悪しを比べる気はないですし、良くて取り入れられる所はマネすればいいと思ってます。ちなみにこの国はダメな所もたくさんあります(多過ぎ)。

まずは選手紹介のシーン。敵チームからスタメンが発表されて、2秒で3人くらいの蒙スピードで紹介されて行きます。知らないと全く追いつけない。その間はひたすらブーイング(民度低め)しかし、一人Palacioという選手がいて、彼は長い間インテルで5-6シーズンをプレーし貢献しました。彼の所では物凄い拍手が起こり、時間も他の選手の倍以上レジェンドの扱いを受けていました。後に後半の選手交代の時にも全員が拍手。サポーターの民度が低いと感じることが多いですが、この拍手を見て、それは彼らなりの表現であると自分の価値観を見直すキッカケになる。1-0で勝っていて、75分過ぎていたら、ゆっくりとピッチを出るものですが、流石にPalacioも小走りにならざるを得ない。

ちなみにインテルの選手紹介はテンションアゲアゲで一人3秒以上使います。この盛り上げ方も日本とは全然違う(今はどうなってるのか知らんけど)。話は戻って、試合終了の笛が鳴り、ほぼ大多数のインテルファンが静寂な中、一人ボローニャファンが思いっきり「Si!!!!(yes)」と叫び、周りがシーンと見ているという光景が現れ、ここにも個の尊重を感じます。俺だったら、心の中でガッツポーズするくらいだ…

これでボローニャは17位と勝ち点1差で、残留争いに望みを繋げています。それを考えるとあの雄叫びも多少は理解できる。

そして、帰り道。小綺麗なオバちゃんが何か吠えている。そして、旦那と思われる人が宥めている。よくよく聞いてみると…

「中国人になっても何も変わってない!あいつら何やってるのよ!」

まさに激おこプンプン丸。我々ジャップ4人が横を通り過ぎると、旦那は気まずそうにしていました。(そりゃそうだ)ちなみにオーナー変わってから、CLも出てるし、現在も3位。良くなってると思うけど…「そんなに嫌ならイタリア人で買い戻したら良いじゃない」と、アドバイスしてあげようかと思いましたが、グッと堪えてその場を去った。

文句は言ってもしょうがない、今は堪えるしかない。あのオバさんはおそらくシーズンチケット買ってるから貢献はしてるんだろうけど。そこで本日はこんなツイートから。

ホリエモンは本質を見抜いてない…
満員電車に乗ってマイカーマイホーム買って、娯楽はゲームやマンガ、酒にタバコで自分を癒しイヤイヤ勤めながら税金払ってる、いわゆるスタンダードな人達がいてこそ、好きなことして生きて行ける人達がいるという事を…みんなホリエモンなら国がダメ🙅‍♂️になる…よ笑— 💴 Seven Deadly Sins 💵 (@yamatotakesan7) 2019年2月4日

これ最近まで全く同じことを考えていて、最近色々な人が自由に生きてる感じが表に出ています。仮にこういう人達だけの世の中になったら大変だろうなと思ってました。でも、ホリエモンとこのツイートのスタンダードな人達には決定的な違いがある。それは、

「問題を発見し、解決できる」

完全にこれだと思います。確かにホリエモンみたいな自由な人で溢れかえってしまったら、誰が掃除して、レジ打ちして、エクセルやるんだ?(適当な例ですが)みたいなことを思います。でも、その問題を彼ら自由な人達は圧倒的な行動力で解決すると思います。「レジ打ち?全部オートで良くない?」「掃除?ルンバで良くない?」「ないの?じゃあ作っちゃおうよ」みたいな感じになります。そして実現しちゃいます。それが彼らのやりたい事なのです。

一方でイヤイヤスタンダードチームは、何事も嫌々なので、問題も発見できず、当然解決することもできずです。状況は変わりません。現状に不満を言うだけ。

どちらかに100-0になることは当然あり得ないのですが、自由人の割合が増えると、革新的な変化が倍増するでしょう。変化を嫌う、足を引っ張るのは、嫌々族しかあり得ないからです。問題を発見するには、物事を好奇心を持って多角的に捉え、ポジティブに解決策に発見できなければなりません。トライ&エラーが苦にならないタイプ。ホリエモンが嫌々スタンダードをいらないと言う理由はここにあると思います。

髭は不快かセクシーか

昨日のミラノの中心地で、中国人旅行客の8万ユーロ(1000万円)の時計が強奪されました。被害者は33歳だそうです。先週とあるサッカー選手が罰金23億円払ってましたね。世の中の同年代は羽振りがいい人もいるようです。はい。

今日とあるニュースについて。”大阪市営地下鉄、現在の大阪メトロの運転士らがひげを生やして勤務していることを理由に最低の人事評価にされたのは不当だと訴え、大阪地方裁判所は「ひげを生やすかどうかは個人の自由で、人格的な利益を侵害し違法だ」として、大阪市に40万円余りの賠償を命じたのです。”という内容。

ミラノに最初来た時に、郵便局員がジーパンにトレーナーでドレッドヘアで衝撃を受けました。文化とはここまで違うものかと。なので、イタリアでは当然このような裁判はありません。NPのコメントだとTPOだ、なんだと言われてますね。イタリアでも、高級レストランにはドレッドヘアなウェイターはいないわけで、TPOはあるんですね。ただビジネスでの場面であれば、自然に淘汰されるわけです。採用受からない、客が来ない。逆にPubの店員にはいるわけです。ジーパンのことも多い。

考えてみれば当たり前なんですけど、当たり前じゃなく、裁判までなっちゃってる。要するに基準がない。今回は地下鉄の職員なので、ミラノで言えば日本と似たような感じで、突拍子も無い髪型やピアスの人はあまりいない、ちなみに髭はいる。でも、法律で決まってるわけではない(はず)。これは日本も同じで、リンク先にあるように弁護士に聞いてもしょうがない。彼らは「個人の自由を損ねる」みたいなことしか言えるはずがない。

イタリアで話題になるとすればそれは、「女性は髭が好きか?」「どんな髭がセクシーか?」だけです。ちなみに昔の観念で言えば髭は「信頼」の証だそうです。寝起きのボサボサな髭は絶対にNGと、どんな髭でもokなわけではないw そもそも欧米人は髭の濃さが日本人と比べ物にならないくらい濃い人が多いので、毎朝剃ってもすぐに青くなって来ます。髪より髭の方が多い人多数。そこからしても、寛容なのは当然。

では逆に寛容じゃないものは何か?タマネギの匂いです。料理に結構使うけど、そこはすごく気になるらしい。シャワーは毎日浴びないのに、そこは気になるらしい。香水めっちゃつけるのにそこは気になるらしい。この感覚がわかる日は来るのだろうか。来週でミラノに来て丸9年。

イタリアのセンター試験(的な)

日本は先週末、センター試験でしたね。僕が受けたのは15年前、あの時は雪が降ってました。慶応の三田キャンパスで、傘を校内に忘れました。

イタリアにもセンター試験的、どちらかというと卒業試験が全国統一で存在します。これに通ると大学の入学試験を受けられますEsame di stato/ maturitàと言います。今年から制度が大幅に変わるようで、今から大騒ぎです。本番は3月。ただいまシミュレーションが文科省から発表されて、卒業予定の生徒は日々勉強に勤しんでると思われます。試験の中身は後ほど書きます。

イタリアの教育省はMiurと言います。そのホームを覗いてみると、まあ可愛らしいデザイン。

イタリア教育省Miurのスクリーンショット

恐ろしいソーシャルの運用数、どれだけ力を入れてるんだ 笑。Flickrとかいるのか…日本の文科省見たら、FacebookとTwitterだけでした。これでいいかと…

新しい共通試験は2つのパートに分かれます。1つ目は長文読解、2つ目は専門分野の問題、ワイン/レストラン/ホテル関係、農業関係、科学、語学、古典とざっくり分けて進みます。長文読解は必須、ロジカルに分析/解答することが求められます。長文読解を必須としているあたり、コミュニケーションにプライオリティを置いているのがわかります。誰もが違う、しかしその中でどう自分を見出し、他者とわかり合い、共存して行くのか。イタリア人みたいに考える前に喋り出す必要はないですが、自分と他者の距離感を常に確認することは大事だと思います。

試験日は6/19-20、どうなるか楽しみですね〜