きっかけ

ブログ移行のきっかけ。

昨年、ミラノEXPO2015中は日本からやってくる様々な人々と関わった。その目的は「日本の食文化を世界に広めること」であったが、多くは単発の「打ち上げ花火」であった。中には当然、本腰を入れて継続的にビジネスを続けていく会社もあったが、決して多くはなかった。地方自治体や会社のお金の多くが無駄に使われている現実を目の当たりにし、この欧州と日本との文化、価値観の違いを肌で感じたことを文章にまとめておくことは有意義であると思ったのがこのブログのきっかけである。
東京生まれ、東京育ちの僕がミラノという田舎町に来て感じたことはすごく多い。あえて「田舎町」と書いたのはミラノはイタリアでは大都市であるが、東京からしたらど田舎である。電車で15分走れば畑だらけ。コンビニなんてもちろんないし、お店が閉まるのも早い。欧州のパリ、ロンドンと比べても外国人の数は少ないし、規模も小さい。しかし、スポーツ、ファッション、デザイン、芸術、食という人々の欲求を満たすものがすべて揃っていながら、街のど真ん中には中世に建てられた大聖堂がある。伝統的な面があり、革新的な面があり、人々の愛情があり、葛藤がある。ミラノはそんな街だと思う。そして、小規模だからこそ「イタリア」を感じることもできる。しかし、ファッションウィーク、ミラノサローネなどの時には世界中から人が集まる。当然、2015EXPO期間中も例外ではなかった。
日本のどの街とも違うわけで、生活環境やら、国、自治体が重視する部分も当然違う。だからこそどのように相手を理解し、コミュニケーションをとっていくのかが非常に大事である。そこの根本を間違えてしまうと非常にトンチンカンなものになってしまう。このブログによってそのギャップを認識する。そして、ある意味日本のことを忘れかけている自分の備忘録でもある。