サッカー部が日本サッカーをダメにする。

冬の移籍市場も終わりました。今年はびっくりするほど選手が動かなかったですね。ミランは選手獲得無し。デヨングがLAに行ってしまったくらいかな。これも中国元気玉マネーのおかげでしょう。中国に行ってしまうトップクラスの選手が多かったような印象ね。いつまで続くのだろうこの異常事態。かつてはJリーグバブルもあったけど、規模が10倍だからね。選手、監督ともに持って行かれている印象。現状は超トップクラスの選手はヨーロッパのトップチームに、トップクラスの選手は大金で中国に。これでヨーロッパの各リーグの格差は、さらに拡大していくでしょう。でも、いつまでも続くはずはない。いずれしわ寄せがきますね。それ以外の歴史は存在してない。
今日はパレルモ戦です。楽しみじゃ。本田は先発予想。

上位のチームはすべて勝ちましたね。一応ミランも上位としておきます。Baccaがようやく機能してきました。得点パターンが一つあるとレベルが一つ上がります。攻撃の迷いがなくなるからね。でも、まだ課題は山積みだね。3位まで辿り着くには結構遠いです。でも、見えなかった背中がようやく見えた感じ。

さて、僕は今の日本のサッカーシステムには疑問点がいくつかあるんです。その一つが「高校サッカー」。とは、言っても昔は西が丘にサッカー部の試合を見に行って、声が枯れるまで応援してました。後輩が選手権出た時も国立行きました。あのドラマは嫌いじゃない。

でも、一歩引いて考えると高校サッカーは非常に矛盾がたくさん。その理由は以下の3つ。

  1. 飛び級ができない
  2. チームを変えられない
  3. 勝利至上主義

1.世の中は常人離れした人がいるもの。しかし、彼らですら完成された選手になるまでは非常に時間がかかる。常に一つ先のステップを見続ける必要がある。ただ、日本の高校サッカーの現状だと、いわゆる”飛び級”なるものはできない。つまり才能があればあるほど、その伸び代を活かせないわけです。日本でそれをできるのはクラブチームしかない。それは非常にもったいないと思う。日本を率いる、世界と戦える人材の可能性を潰すのは良くない。日本サッカー界のためにならない。もっともっと、森本貴幸みたいな人を輩出すべき。まあ天才はそう簡単にいないんだけど。ちなみに今のACミランの正GKは今月末で17歳です。若い。ブッフォンの半分も生きてない。

2の理由は非常にシンプル。選手同士や選手/監督にはそれぞれ相性がある。それが合わないことってある。でも、強制的に3年契約なわけ。メッシのために代表に選ばれなくなったテベスみたいな存在がいたら最悪なわけです。シメオネの意向で試合に出られなくなった森本のような人がいたら最悪なわけです。ある程度動きのあるプロの世界でもあるんだから、強制3年契約はキツ過ぎる。才能が伸びた時点で、強いチームに移籍するのもありだと思うわけです。

しかし、一番大事なのは3番目。高校って教育機関にも関わらず、サッカー部は勝利至上主義。それは多くの高校はビジネスで、サッカー強豪校は多額のお金をチームに投資してるために、勝ってブランドを確立しないとペイしないわけ。そのためには死ぬほど走らされて、膝壊したり疲労骨折したり、それでも試合に出てプレーするわけです。体にいいわけがありません。オーバーワークも当然、選手寿命や伸び代を潰します。逆にクラブチームは勝利至上主義でありながら、下部組織はトップチームのための育成機関になってます。

そして、今の日本代表はどうなってるか?こんな記事見つけました。そこから抜粋すると23人中11人がクラブチーム出身、12人が高校サッカー部出身ですね。これは一つの例ですが、ここから大幅に比率が変わることもないでしょ。高校の数とクラブチームの数は高校の方が圧倒的に多いのは疑いようがない。かと言って、クラブチームが完璧でないのも事実。現に中村俊輔や本田圭佑はクラブでユースに上がれずに高校に行かざるをえなかったのは有名な話。高校サッカーで成長したのは間違いない。

ではどうするのがベストか?

高校は教育機関として専念するのがベスト。そもそも学費から部費を捻出しているのであれば、他の生徒がかわいそうでしょ。部活から学べることもいろいろあるが、それはクラブチームでも一緒で、「サッカー」から学ぶものである。サッカーはスポーツだから「文化」である。文化は人の情熱と愛情によって育つ。育った文化は「ビジネス」になります。地元に根ざしたクラブチームをユース世代でも多く作ること。まあ今はプロがJ3まであって、多くのクラブチームが出来ているからこの流れは自然に出来てくるでしょう。次は高校生活とクラブチームのサッカー生活をどのように両立するか。高校のブランディングがどんどん難しくなっていくんだろうな。。。

イタリアの現状を少し話すと、高校ってグランドがほぼないんです。おそらくヨーロッパは同じだと思うけど。つまり「部活」という概念がない。高校は勉強するところ、スポーツは地元のクラブチームでっていうのが基本。クラブチームで目立っているとどんどん、いいチームに行けたり、トップチームに引き抜かれるわけですね。そして、好きな人はいくつになってもずっとクラブチームでサッカーしてます。こないだも34歳で常に上を目指している人がいた。別にプロでもなんでもないただのアマチュア。でも、ずっとサッカーしたいからお酒も飲まないし、食事も気をつけて、筋トレもずっとしている。これを続けているわけ。何が言いたいかという、高校、大学という、区切りが一切ない。これも没頭できる環境の一つだと思うのね。好きだから続けるんです。だから文化なんです。「日本が世界に勝つためには?」というより、「サッカーが好きでプレーし続けられる環境は?」って考える方が日本のレベルが上がるんじゃないかな。

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