日本の「豊さ」はどこから来るか?

今なお続くコロナ渦中、「自粛をして経済を止めるべきか否か」という議論が頻繁に行われている。ヨーロッパもアメリカも徐々に解除に向かっている中、日本の政府の動きは止まっている。ちなみに昨日5/12までのイタリアにおける新型コロナウィルスによる死者数は30.911人、日本は657人。日本の人口はイタリアの倍。これだけで既に何故、緊急事態宣言が延長されているのか、全く意味はわかりませんが、納得できない方が多い模様。

今回はどうして日本が便利で、豊かなのかを考察してみたいと思います。特にデータなどのロジックはありません。

経済はお金を回すことによって成り立ちます。つまり、生産活動やサービスを作って、それを思いっきり消費することで、社会にお金を回していきます。経済活動は日本国内でも海外へも行われています。その総計がGDPであり、日本は10年前まで世界2位でしたが、現在は中国に次ぐ3位。中国との差は倍以上開き、3倍に近づきつつあります。一人当たりGDPでも2002年まで一桁順位をキープしていたものの、現在は26位。人口も少子高齢化し、現役世代は少なくなるばかりではっきりいってヤバイです。

しかし、当然GDPが豊さの全ての指標になるわけではないので、その「豊さ」とは何かということですね。ここでは「便利」「安全」に重きを置いてみたいと思います。海外に住むと気づく便利さの一つにコンビニがあります。24時間営業でなんでも売ってる。とりあえず生活の中で困ったら、ここに駆け込めば何とかなります。このコンビニを1件だけ自分で全て運営しようとしたら、莫大なコストがかかり、おそらく全ての値段が高級デパートのプライスを軽く超えてきます。そこで数を増やして効率化しコストを下げる。

ない国があるってことは「なくてもいいものがある」ってことですよね。日本にもコンビニがない時代は当然あったわけで。このコンビニによりどれだけ多くのエネルギーが消費され、人が雇用され、ものが動き、経済に貢献したことか言うまでもありません。

さらに「電車」。ミリ秒単位で到着する山手線は本当に凄いですよね。1時間遅れないようにするコストと1分遅れないようにするコストには雲泥の差が当然あります。そのおかげで値段が爆上がりするわけですよね。でも、大量の人が使うのでそこまで高くない。新幹線も静かで、綺麗で、早くて快適です。でも、チケットの値段は超高いです。沢山の人が利用しても、諸外国に比べて圧倒的に高い。

次に「小包装」最近、ようやく注目を浴びるようになってきましたが、イタリア来て何度も「え、包装はこれだけかよ?」って最初は思いました。でも、慣れます、食品でもお腹が痛くなることはまずないです。日本にはいくつもの包装に関連する会社があって、多くの人の生活が成り立っています。

経済を止めると言うことは、この日本の豊さを放棄することになります。これは「良い悪い」ではなく「選択」です。日本は様々にアイデアを出して、それを実践して豊かになっていきました。経済が止まれば、当然税金の収益も少なくなるし、医療費や社会保障費に回せなくなります。砂漠の上に病院は成り立ちません。これからさらに少子高齢化が進むと、社会保障システムを支えられなくなります。そもそもコロナなくても支えられないと言われていますが…

できることは「豊さ」の指標を変えることかもしれないし、より効率的に経済を回すことかもしれないし、経済基盤を補強することかもしれない。しかし、経済を止めて、今の豊さを継続することは不可能だと思います。

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