スウェーデンの幸福世界一の哲学「ヤンテの掟」

3/27、イタリアのコロナウィルスに因る死亡者は969人と過去最高を記録しました。合計死亡者は9134人。ここ3日間で数字が安定していた分、ピークが来たと願っていたのですが、来ませんでした。スペインもかなり厳しい状態です。本日の死亡者が773人で、合計が5000人を超えています。ちなみ中国は3292人の死亡者です。

スペインの保険省は中国企業から購入した簡易検査キット約58000個を返品したようです。誰もが喉から手が出るほど欲しいものが返品されるとは…

一方で、相変わらず学校で授業が行われ、会社もリモートを増やしつつ平常運転。ロックダウンがされていない国がスウェーデンです。ニュースの裏を取ろうとサーチして見ましたが環境活動家のグレタさんしか出てこない。

本題です。先日、スウェーデン在住9年の方にインタビューを行いました。詳細は下記のリンクから。

インタビュー後半もありますのでぜひ。

我々のイメージとしては、憧れの先進国。教育、医療、ITなどまさに近代的なイメージ。人口約1000万人と小回りの効く、多くの日本じが憧れる現代的な国家のイメージです。

ですがやはりイメージと現実は違うものであり、私の知らない長所短所が沢山ありました。その中で一番気になったのが「ヤンテの掟(Law of Jante)」です。北欧通の中では、常識中の常識だと思われる10カ条です。

そして、もう一つ結構な人が北欧って一括りにしちゃってますけど、それぞれ文化が違って差が見えると面白いです(その動画はまた後日)。東南アジアをまとめられるのと一緒ですよね。顔もそれぞれ違うらしいのですが、私は少なくともわかりません…(仕事でストックホルムとコペンハーゲンは何度も行ってましたが…)

話は戻りまして、こちらがヤンテの10カ条です。wikipediaより引用。

自分を一角の人物だと思ってはならない

自分のことを、私たちよりも優れていると思い上がるな

自分のことを、私たちよりも頭がよいと思ってはならない

自分のことを、私たちと同じくらい価値があると想像し、自惚れに浸ってはならない

自分のことを、私たちよりも多くを知っていると思ってはならない

自分のことを、私たちよりも重要であると思ってはならない

自分のことを、大物だと思ってはならない

私たちの事を笑ってはならない

私たちの誰かが自分のことを気にかけていると思ってはならない

私たちに何かしら教えることができると思ってはならない

「自分だけが良ければいい」ことに対して批判的で、謙虚な部分が日本人のメンタリティと非常によく似ています。多くの日本人に好まれる理由はここから来ている気がします。これは1933年の実話小説で登場した10カ条です。

常日頃からミラノで生活していて「自分さえ良ければそれでいい」文化を痛感している自分にとって、同じヨーロッパでも飛行機で数時間飛ぶだけで、ここまで違うものかと感心しました。でも、寒いのはちょっと厳しい…

コンテとマクロンのスピーチを比べてみる。

3/13現在(昨日比) 死亡者:1266人(+250) 現在感染者:14955人(+2116) 完治:1439人(+181) 感染者、完治者は検査数に比例、一方死亡者は緩やかに上昇。本日の検査数11477件。

スペインあたりが怪しくなってきましたね。フランスも黄信号。ラテン系は家族の繋がりが強いから、世代間を超えて感染してしまう。一方でドイツは踏ん張っていますね。数字からだと結果論なので、非常に見えづらい。全部の国をカバーするのは不可能です。

一昨日、イタリア首相コンテの会見がありました。昨日、フランス大統領マクロンの会見がありました。この二人のスピーチの中身があまりにも違ったので紹介したいと思います。

まずはイタリア首相コンテさん(55歳)

  • 会見時間は9分。
  • 医療従事者への感謝
  • 国に現状に触れる
  • 全イタリアを封鎖
  • 全てのお店(バール、レストラン、美容院等)を営業停止
  • スーパーと薬局は営業。だから焦るな。
  • 必要な場合を除き、家から出ては行けない
  • 習慣を変えるのは難しいが、2週間頑張ってくれ
  • イタリアは誇り高き国だ、今こそ全員で乗り切ろう

的な内容でした。一方でフランス大統領のマクロんさん(42歳)

  • 会見時間は25分
  • 国の現状に触れる
  • 医療従事者への感謝
  • 怒る/不安になる必要もない→国民を落ち着かせる
  • 科学的に基づいた対応をし、ウィルスと闘う必要がある
  • 一番大事なことは「脆弱な人を守ること」:70歳以上、呼吸器系に疾患がある人
  • 上記の人とのコンタクトを最小限にすること
  • 次に大事なことは、拡散を防ぐことである
  • そのために3/13より学校を閉鎖する。期間は未定。
  • 会社はテレワークにし、必要な場合は距離を保つ。
  • 集会は最低限にしなければならない
  • 健康に値段は付けられない、政府はありとあらゆる手段で病人を助ける
  • 我々はEU全体で、研究を進めている
  • 経済的に困難が生じることはわかっている。失業や給料は国がサポートする
  • EU全体でウィルスの蔓延を阻止する
  • 二つ守ってほしいことがある
  • ナショナリストになってはいけない。これはEU全体の問題
  • 個人主義に走ってはいけない。「私」ではなく「私たち」の国としての問題
  • 手洗い、消毒を心がける。握手やハグはしない。人との距離を保つ。これが人の命を救う。
  • もう一度、お年寄りを最優先に守る。家族かもしれないが会うのを控える。胸が張り裂ける思いだろうが、必要なことなのだ。
  • 私は国民全体のことを考えている、国として。

と、両者にはかなり差がありました。マクロン大統領のスピーチは論理的、シリアス、フランスとしての誇りを感じさせるものでしたね。字幕や手話でのダイバーシティへの配慮から始まり、EU全体への言及もあり、経済面での言及と、ハイライトがしっかりしていました。久しぶりのフランス語にだいぶ苦戦しましたが、内容も非常にわかりやすくなっていました。

一方でコンテ首相はハイライトが政策の二つで、内容も今一つ。政策の論理的な説明もありません。中身の濃度が明らかに違い過ぎる。今回のコロナは、「若者には風邪以下」「基礎疾患のある高齢者には殺人ウィルス」の二面性があり、明らかに脆弱者を隔離する必要があります。そこを論理立てて上手く説明できるマクロンはデキるな!って感じですね。

フランスはこれからが正念場ですが、どうなるか見ものです。

3/12 現在のイタリアのコロナ状況を多角的に考えまくる(その2)

昨日のブログ(その1)を読んでから今回のを読んでいただけれると、スムーズに今回の「その2」に進んでいただけます。

イタリア:3/12現在(昨日比)、感染者数12,839人(+2249)、死亡者数1,016人(+189)、完治数1,258人(+213)、計15,113人(+2651)検査数が昨日今日で50000超え。検査しまくる方針は変わらないようです。

24ore

赤:合計、ピンク:感染者、黒:死亡者、緑:完治者

日当たりのデータなので、減れば下がります。3日前に感染者数が減ったように思われますが、死亡者数は変わらず、感染者数が減っただけ。検査数が少ないのでそこに比例してます。

さて本題です。今回は文化的観点から。つまりイタリア人の特徴から見ていきましょう。今回のイタリアの医療崩壊は重症患者をICUに受け入れ切れないことにあります。中心は「高齢者」です。つまり高齢者はどのような行動を取っているのかが重要になります。

イタリアの年金受給は2020年現在、67歳からです。今回の死亡者の平均年齢は81歳(1週間前の発表)ですので、年金受給者の行動パターンが大事になります。まず彼らはどこにいるのか?何をしているのか?それは、

Bar(カフェ)にお友達みんなで集まってお喋りしたり、カードゲームしたり。これは結構イタリア全土で見られます。そして、リモートワークが開始された3日前もちゃんと見られました。こちらは3/10の僕のツイート。

このような光景が北イタリアで見られるとすると、彼らの中にスプレッダーがいたとすると恐ろしいことになります。ハグやらキスやら、大声で唾を交換しまくりで長時間一緒にいるわけですから、確率はかなり高いわけですね。さらにはタバコまで吸ってる人も多い、副流煙にも慣れてる世代なので確率はさらに高まります。日本では「孤独死」という言葉があるくらいなので、文化が全く違うわけです。つまり社交的な人が多い。一方、ドイツはというと、

あまり社交的ではないようです。こちらはドイツ在住のイタリア人のツイートです。感染者が若い人中心、高齢者は孤立してるとのことです。日本に近いものがあります。現役世代は当然動き回るので感染率は高くなります。しかし、感染者の死亡率は世界的に0.2%ですで、大半は無症状or軽症で終わります。

しかし、現役世代が高齢者と多く関われば、高齢者への感染率が上がる。つまり「社会的に高齢者が孤立」していルことが、今回のコロナ騒動では優位に働きます。イタリアの現場はというと、現役世代が親世代と住んでることも多く、孫と一緒に暮らしている人も多い。特に北イタリアでは仕事があるので、一人暮らしをする必要が全くない。一方、南出身の人たちは仕事がないから、北へ出て来ているので、一人暮らしの人が多い。

ミラノに留学した時、驚いたことの一つとして、イタリア人は週末に実家へ帰る!学校に大きい鞄で来て、そのまま数時間バスや電車に乗って実家へ帰ります。家族の繋がりがめちゃめちゃ強い。日本人的感覚からするとありえない 笑。逆におじいちゃん、おばあちゃんからすると、

と、なるわけですね。なので、家でもキス/ハグしまくりだと思います。子供たちが持ち帰ったウィルスが感染する可能性はめちゃくちゃ高い。結果、

子供や孫から誰かが感染→日々のBarでお友達に感染

のパターンがかなり多いのではないでしょうか?学校は2週間前に閉まりましたが、Barは最後まで開いてました。まずはお年寄りを守る政策が完全に欠けてるんですよね。昨日のイタリア大統領のスピーチにもその視点はなかった。そして、今日のフランスのマクロン大統領は最初に「まず守るべきは脆弱な70歳以上」とはっきり明言していました。

イタリアは何をすべきだったかというと

「高齢者の隔離」

です。物理的にしないまでも、その注意喚起を絶対にするべきでした。「ただ距離を開けて」「手を洗って」では全く伝わらないし、足りない。今回はただのインフルじゃない!と、いうのは悪くないと思いますが、今回のコロナは高齢者との相性がすこぶる悪い。学校やリモートワーク推奨もありだとは思いますが、まずは高齢者への注意がないと意味がない。

次回はイタリアとフランスの大統領のスピーチを見比べて、政策の違いを検証してみたいと思います。では!

3/11現在のイタリアのコロナ状況を多角的に考えまくる

昨日時点での、総感染者数1万人超え、死亡者631人、完治数約1000人。すでに医療崩壊してることが間違いない状況で、数日前からトリアージも行われ、死者数が右肩上がり。この悲惨な状況はどうして起こってしまったのか、ありとあらゆ情報をまとめました。結論は大きく分けて二つあり、一つ目は経済的政策のミスで検査のし過ぎ、そして二つ目はイタリア人の振る舞いや性格の特徴である。

まずは日本との基本的な数値の比較から。人口と3/11(水)12時現在の状況

日本:人口1.2億人、総感染者数:552人、死亡者12人、完治数102人、検査数9195。

イタリア:人口6千万人、総感染者数10149人、死亡者数631人、完治数1004人、検査数60741。

https://www.populationpyramid.net

医者の数(千人あたり)、 日本が2.4人、イタリア4.0人 ナースの数が1000人あたり、 日本:11.3人、イタリア:6.7人 病院のベッド数が1000人あたり、 日本:13.1、イタリア:3.2 日常喫煙者(15才以上) 日本:17.7%、イタリア:19.9%。ただし日本はナースの数が実際の数はかなり少ない(寿退社等を考慮されてない)のではと、友達の医者談。ICUの数はイタリアは千人あたり3つと先進国の中では少なく元々のキャパが少ない可能性も大。

少子高齢化の進む二カ国、はっきりと明暗が別れる形となりました。日本とイタリアで死亡者数が60倍以上離れてしまいました、人口比率を加味すると、日本の人口の半分なので120倍。死亡者は圧倒的に疾患を持った高齢者です。これは世界共通。イタリアも死亡者の平均年齢は81歳、高血圧、心疾患、糖尿病の疾患がある患者が多数と発表されています。そもそものイタリアの平均寿命は82~3歳ですが…そして、そもそも平均年齢が低い、高齢者の少ない国はそもそも死亡者がほぼ出ません。

https://www.worldometers.info/coronavirus/coronavirus-age-sex-demographics/

この状況はすでに結果ですので、初動の段階のどこに要因が考えられるのか。ここで一つ目のトピックとなります。つまり「検査」ですね。検査の数を絞った日本と検査を積極的に行ったイタリア。ここでまず分かれました。結果的に検査は多くしない方が良かった。その理由は二つあって、一つ目の理由は「検査の精度」。日本ではPCR検査、イタリアではtampone(タンポーネ)と言われてますね。どちらも同じものです。2つ目はウィルスが新型だから。

PCR検査の精度(感度と特異度)は30〜80%とばらつきがあり、本来であれば事前確率(熱や咳が数日続いている症状等)に加味して検査を応用し、診断を下す。この場合の検査はあくまで参考値です。骨折とかなら間違い無いだろうけどね。そもそも「検査」というのものは、医師が診断を行うために必要なもので、決して希望者に行うものではないのであります。話を戻して、この精度の生で偽陽性(陽性なのに実は陰性)と偽陰性(逆パターン)が生まれます。

そして何よりめちゃくちゃ手間がかかります。まず綿棒のようなもので喉の奥をグリグリします。これがちゃんとできないとウィルスがいるかどうかわからない。次にこの粘膜を試験管に入れて、ウィルスの増殖させます。そしてようやく判定ができる。日本の院内検査出来るところで、早くて一日 数時間。イタリアがこれより早く出来るとは考えづらいですね。これを1日に、何百、何千とこなす事になる。リソースが取られます。現場疲弊します。精度が落ちます(少なくとも上がることは無い)。(追記)さらに検査時の適切な防護服着用が疎かになり、検者の感染率が増加→被験者の感染率アップの懸念。

次に仮に陽性でも症状がなければ自宅待機、症状が軽くても自宅待機で8割以上はこれのどちらかです。特効薬は無いので、治療法が無いのです。なので、基本解熱剤や咳止めを飲んで自宅待機。そして勝手に治る。イタリア人の性格を考えればパニックなって病院に押し寄せ、院内感染をさらに加速させることも大いに考えられます。大半の人はこれで終わります。陰性の人は晴れて街に繰り出し、偽陰性の場合はウィルスを盛大にバラまく事になります。

よって、希望者全員に検査をする意味は全くない。2/28にイタリアも症状のある人だけに絞るように政策を変更しました。それでもトータル6万。ちょっとおかしい…感染症専門の医者友達に聞いてもやっぱり異常。結果、病院はパンク。現場からの悲痛な叫びが聞こえてきます。3/9の時点でトリアージのニュースもありましたし、本当に悲惨な状況が続いています。

長くなりましたので、二つ目の特徴は次回に!

あの大震災から9年。3.11

2万人の命を奪った東北大震災から9年。あの時、すでにイタリアにいたけど本当に怖かったし、不安だった。自分は徹夜で作業をしていて、ふとTwitterを見ると、皆が地震の呟きをしていた。yahooを見ると震源地は東北だった。東京の皆んながヤバイと言ってるのに、震源地は東北?どういうこと?一瞬意味がわからなかったが、すぐに家族にスカイプで電話した。一般回線は繋がりづらかったようだけど、幸いすぐに繋がり、家族の無事を確認できた。家族はことの重大さを認識していなかったが、自分は情報を調べているうちに、衝撃的な映像ばかりが飛び込んできた。Uストリームで、キー局全てを追っていた。ひたすら街が燃えている、津波が襲っている。日本がどうなるのか不安で仕方なかった。

未だに苦しんでいる人は大勢いるのは知っている。しかし、日本はまだ日本。国レベルで言えばなんとかなった。イタリアの状況はまだ暗闇の中だけど…

「可愛い」と「ブス」を考える

Netflixのqueer eye in  JAPAN はアメリカ人のゲイ5人組がある人の人生を輝かせるという番組だ。それぞれスタイリスト、料理、インテリア、カルチャー等のスペシャリスト達だ。よくあるお父さん変身計画の凄い版(比べ物にならない)。なぜなら、外見だけでなく中身から自信を持たせようとする内容。「自信」を構成する要素は様々あって、それが外見であったり、料理することだったり、コミュニケーションすることだったりと、ちょいと日本人の感覚から外れた視点からやってくる。単純に自分を褒めことや、見つめ直すことの他に、人を褒めまくる彼らが強烈に後押ししまくるのだ。良いものを作り出せる人は、良い点を見つけ出すのもプロで、さらにそれを一つ二つ上のレベルへ押し上げてくれる。

自信ない→自分と向き合う(5人のヒアリング)→長所を見つけ出す→長所を活かす方法を教わる→自信を持たせる

5人は衣(髪/ファッション)食住+カルチャーのスペシャリスト

ネットフリックスでこんな感動するエピソードを見ることができるとは思わなかった。友達になんとなく薦められて見たけど、強烈にインパクトが残っている。日本は世界で最も「自信のない国」というデータもあったりするので、この番組は素晴らしいと思う。

一方で、相席スタート 山崎ケイの「ちょうどいいブスのススメ」たまたま同時期に読んだ。アメトークに出演する彼女を見て、一発でファンになってしまった。美人ではない女性が、男性の心理や情動を上手く読み取りながら、どのようにアプローチをすれば良いかが、エピソードを交えて書かれている。この洞察力に感銘を受けた。

しかし、同時に「ブス」という言葉が溢れている日本の状況は少し残念である。人によって完成は違うのだから、もっと色んな美人がいてもいいし、色んな可愛いがあっても良い。体型ももっと様々で良い。理想に偏りがあり過ぎる。最近は渡辺直美によって少しずつ変わってきてはいるかもしれないが、まだまだ道のりは遠い。10人中8人が細くて、アイドルのような体型を目指し、モデルに憧れている。もっとカーヴィーに憧れてもいいし、ポッチャリ系に自信を持つことがあって良い。理想は一つでは「多様性」ならない。

UX優先の企業姿勢

昨日はダービーでした。先週に恐ろしいフィジカルのフランクフルトに完敗したインテルが、すごくやり易そうにプレーしていたのが印象的です。3/4位争いのミラノダービーは何年振りでしょうか?感無量です。ただ、もうちょっとミランの前線のプレスどうにかならないかね…(以下自粛)

話は変わりまして、ミラノには東京とは全くレベルの違うカーシェアリングが存在します。ミラノは基本的に路駐なので、そこら中に乗り/捨て放題です。一度使うと本当に便利で、市内の移動、特に電車やバスが少ない深夜は本当に助かります。日本は路駐が難しいので、これをコピーするのは不可能です。真似しろとは全く思ってません。そこで真似して欲しいのは「企業姿勢」です。

カーシェリングはいくつか存在していて、SmartのCar2Go(台数不明)、FiatのEnjoy(670台)、BMWのDrive Now(500台)等があります。この3つがメジャーです。ざっくりなシステムはオンラインで登録して、スマホのアプリで車を地図上から探して、予約して、暗証番号入れて、ロック解除して、乗って、捨てる。それだけ。長々してるように見えますが、超シンプル。そんな中、2月の下旬より、Car2goとDrive Nowのアプリが提携し、どちらの車も地図上に見えるようになりました。

どちらのアプリにも両方の車がどこにあるのかわかる。

登録は別々にしないとダメですし、他方の車を選択すると自動的にもう一つのアプリに飛ばされるので、劇的に便利になってはいないのですが、このような施策は非常に好感が持てます。ライバルが互いのシステムを共有とか日本ではあまり見られない光景ですよね。さすがドイツ!と言っていいのかわかりませんが、日本の企業も見習ってはどうでしょうか。

個人的には漫画とかを各社が協力して、一つのアプリに納めて、オフィシャルに売れば、世界中で飛ぶように売れると思います。かなりキンドルに持っていかれていると思うし、アニメはnetflixに完全に持っていかレテますよね。もったいな。iphone/android→Netflixで2重に税金を取られてるね。

カバー写真は先週に行った、ガルダ湖のアグリツーリスモ。思ったよりハイジっぽくて最高でした。

みんなが自由に生きるとどうなるのか?

昨日、サン・シーロにインテル対ボローニャ戦を見てきました。にわかミラニスタなのでインテルの試合には興味ないのですが、日本からお客さんが来ていたので連れて行きました。サン・シーロはいつ行っても素晴らしいスタジアムだと思います。毎回、感動。すごい寒いけど、好きです。

結果は1-0でボローニャ(現在18位で降格争い中)の勝利。終了の笛がなった時は大ブーイングでした。先週、コパイタリア(天皇杯的なやつ)でもホームでラツィオに負けて敗退。ファンのフラストレーションは溜まりまくりです。その中でやっぱりイタリア違うなってところいくつか。別に日本と良し悪しを比べる気はないですし、良くて取り入れられる所はマネすればいいと思ってます。ちなみにこの国はダメな所もたくさんあります(多過ぎ)。

まずは選手紹介のシーン。敵チームからスタメンが発表されて、2秒で3人くらいの蒙スピードで紹介されて行きます。知らないと全く追いつけない。その間はひたすらブーイング(民度低め)しかし、一人Palacioという選手がいて、彼は長い間インテルで5-6シーズンをプレーし貢献しました。彼の所では物凄い拍手が起こり、時間も他の選手の倍以上レジェンドの扱いを受けていました。後に後半の選手交代の時にも全員が拍手。サポーターの民度が低いと感じることが多いですが、この拍手を見て、それは彼らなりの表現であると自分の価値観を見直すキッカケになる。1-0で勝っていて、75分過ぎていたら、ゆっくりとピッチを出るものですが、流石にPalacioも小走りにならざるを得ない。

ちなみにインテルの選手紹介はテンションアゲアゲで一人3秒以上使います。この盛り上げ方も日本とは全然違う(今はどうなってるのか知らんけど)。話は戻って、試合終了の笛が鳴り、ほぼ大多数のインテルファンが静寂な中、一人ボローニャファンが思いっきり「Si!!!!(yes)」と叫び、周りがシーンと見ているという光景が現れ、ここにも個の尊重を感じます。俺だったら、心の中でガッツポーズするくらいだ…

これでボローニャは17位と勝ち点1差で、残留争いに望みを繋げています。それを考えるとあの雄叫びも多少は理解できる。

そして、帰り道。小綺麗なオバちゃんが何か吠えている。そして、旦那と思われる人が宥めている。よくよく聞いてみると…

「中国人になっても何も変わってない!あいつら何やってるのよ!」

まさに激おこプンプン丸。我々ジャップ4人が横を通り過ぎると、旦那は気まずそうにしていました。(そりゃそうだ)ちなみにオーナー変わってから、CLも出てるし、現在も3位。良くなってると思うけど…「そんなに嫌ならイタリア人で買い戻したら良いじゃない」と、アドバイスしてあげようかと思いましたが、グッと堪えてその場を去った。

文句は言ってもしょうがない、今は堪えるしかない。あのオバさんはおそらくシーズンチケット買ってるから貢献はしてるんだろうけど。そこで本日はこんなツイートから。

ホリエモンは本質を見抜いてない…
満員電車に乗ってマイカーマイホーム買って、娯楽はゲームやマンガ、酒にタバコで自分を癒しイヤイヤ勤めながら税金払ってる、いわゆるスタンダードな人達がいてこそ、好きなことして生きて行ける人達がいるという事を…みんなホリエモンなら国がダメ🙅‍♂️になる…よ笑— 💴 Seven Deadly Sins 💵 (@yamatotakesan7) 2019年2月4日

これ最近まで全く同じことを考えていて、最近色々な人が自由に生きてる感じが表に出ています。仮にこういう人達だけの世の中になったら大変だろうなと思ってました。でも、ホリエモンとこのツイートのスタンダードな人達には決定的な違いがある。それは、

「問題を発見し、解決できる」

完全にこれだと思います。確かにホリエモンみたいな自由な人で溢れかえってしまったら、誰が掃除して、レジ打ちして、エクセルやるんだ?(適当な例ですが)みたいなことを思います。でも、その問題を彼ら自由な人達は圧倒的な行動力で解決すると思います。「レジ打ち?全部オートで良くない?」「掃除?ルンバで良くない?」「ないの?じゃあ作っちゃおうよ」みたいな感じになります。そして実現しちゃいます。それが彼らのやりたい事なのです。

一方でイヤイヤスタンダードチームは、何事も嫌々なので、問題も発見できず、当然解決することもできずです。状況は変わりません。現状に不満を言うだけ。

どちらかに100-0になることは当然あり得ないのですが、自由人の割合が増えると、革新的な変化が倍増するでしょう。変化を嫌う、足を引っ張るのは、嫌々族しかあり得ないからです。問題を発見するには、物事を好奇心を持って多角的に捉え、ポジティブに解決策に発見できなければなりません。トライ&エラーが苦にならないタイプ。ホリエモンが嫌々スタンダードをいらないと言う理由はここにあると思います。

髭は不快かセクシーか

昨日のミラノの中心地で、中国人旅行客の8万ユーロ(1000万円)の時計が強奪されました。被害者は33歳だそうです。先週とあるサッカー選手が罰金23億円払ってましたね。世の中の同年代は羽振りがいい人もいるようです。はい。

今日とあるニュースについて。”大阪市営地下鉄、現在の大阪メトロの運転士らがひげを生やして勤務していることを理由に最低の人事評価にされたのは不当だと訴え、大阪地方裁判所は「ひげを生やすかどうかは個人の自由で、人格的な利益を侵害し違法だ」として、大阪市に40万円余りの賠償を命じたのです。”という内容。

ミラノに最初来た時に、郵便局員がジーパンにトレーナーでドレッドヘアで衝撃を受けました。文化とはここまで違うものかと。なので、イタリアでは当然このような裁判はありません。NPのコメントだとTPOだ、なんだと言われてますね。イタリアでも、高級レストランにはドレッドヘアなウェイターはいないわけで、TPOはあるんですね。ただビジネスでの場面であれば、自然に淘汰されるわけです。採用受からない、客が来ない。逆にPubの店員にはいるわけです。ジーパンのことも多い。

考えてみれば当たり前なんですけど、当たり前じゃなく、裁判までなっちゃってる。要するに基準がない。今回は地下鉄の職員なので、ミラノで言えば日本と似たような感じで、突拍子も無い髪型やピアスの人はあまりいない、ちなみに髭はいる。でも、法律で決まってるわけではない(はず)。これは日本も同じで、リンク先にあるように弁護士に聞いてもしょうがない。彼らは「個人の自由を損ねる」みたいなことしか言えるはずがない。

イタリアで話題になるとすればそれは、「女性は髭が好きか?」「どんな髭がセクシーか?」だけです。ちなみに昔の観念で言えば髭は「信頼」の証だそうです。寝起きのボサボサな髭は絶対にNGと、どんな髭でもokなわけではないw そもそも欧米人は髭の濃さが日本人と比べ物にならないくらい濃い人が多いので、毎朝剃ってもすぐに青くなって来ます。髪より髭の方が多い人多数。そこからしても、寛容なのは当然。

では逆に寛容じゃないものは何か?タマネギの匂いです。料理に結構使うけど、そこはすごく気になるらしい。シャワーは毎日浴びないのに、そこは気になるらしい。香水めっちゃつけるのにそこは気になるらしい。この感覚がわかる日は来るのだろうか。来週でミラノに来て丸9年。

イタリアでアニメ

今週はミラノの映画館で「キミスイ(アニメ版)」を上映していたので見てきました。キミスイは2015年に出版された住野よるさんの小説がオリジナルで、2017年7月に実写映画、2018年9月にアニメ映画化されました。これを見に行くと決めたのが先週、それまで存在すら知りませんでした。浦島太郎です。FBに「キミスイ良い!」って書き込んだら、「今更何言ってんだ?大丈夫か?」コメント頂きました。自分はアニメ版の話をしているのですが、友達は実写版の話だと思っていたみたいで、全く噛み合わない。調べたら去年だからまだ半年経ってない、噛み合うはずが無いw

日本でヒットしたのは実写版、しかも原作に無い12年後の世界。桜からのhimawariか。見るしかないね。

このアニメはNexodigitalというカルチャーをデジタル(映画)化する会社で、画家や舞台、ダンス等の映像を提供しています。この秋冬は「未来のミライ」(10月)、「ペンギン・ハイウェイ」(11月)、「キミの膵臓を食べたい」(1月)の3本ラインナップで、私はどれも全く知らず。。「未来のミライ」はアカデミー賞ノミネートしてるじゃん…「カメラを止めるな」を見て、ドヤってる場合ではない…汗

最近はNetflixで日本のアニメが見られるようになったので、これからもっと日本のアニメがイタリアでポピュラーになることでしょう。今までは日本好きなオタク中心だったのが、ライト層にまで広がると思われます。現に友達のペルー人に「亜人」を進められて見たら面白かった。やはり漫画のイマジネーション、非リアリティーは最強ですね。確実に世界中の人を虜にできます。

Netflixみたいなプラットホームを日本の大手出版社で共作して、世界に翻訳バージョン売り込めば確実に売れますね。面白いコンテンツ山ほどあるし、制作費は実写に比べたら格段に安い。しかも今ならまだ日本の独占状態。なぜなら漫画にはクリエイティビティーと画を描くスーパーハードワークが求められるので、日本人向きなのです。漫画が世界中に広まって、数十年以上経っているのにまだ日本の独占状態なのは、日本人にしかできない何かがあるからです。

それはアニメや3Dなら大勢での作業が可能ですが、漫画は画がズレやすいので、難しいのかなと勝手に思ってます。そして、日本に漫画家の選手層は超分厚い(ブラジル並)。単行本出した作者が5-6000人/年いるそうです(エビデンス緩い)。この全員が漫画だけで食べてはいけないですし、他にも沢山の卵さんたちがいるわけで、膨大にいると思えます。

最近は「暗殺教室」にハマってます。あり得ない設定から、人間の成長模様を表現する感じは「クレヨンしんちゃん」に通ずるものがあります。どんな状況であれ、人間が大事しなければいけないものを表現すると人の心に響くものがあるんですね。間違えてキンドルで全巻ポチってしまったので、アニメと漫画両方で人生勉強したいと思います。